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2020年8月17日

令和元年度 ふるさと環境コース 第12回講座 「蘇る伝統の味!赤貝(サルボウガイ)養殖の現状」 中海漁協の漁師さん達に感謝! 感謝!

令和2年度(5月~9月)の講座は、新型コロナウィルス感染症の影響で休講となっているため、昨年度の主な講座の様子をシリーズでお知らせしています。
今回は、「ふるさと環境コース」第12回講座「蘇る伝統の味!赤貝(サルボウガイ)養殖の現状」(令和元年12月18日開催)を紹介します。

最初に美保関町下宇部尾にある養殖場の作業小屋を訪れ、漁師さんから赤貝養殖に使う漁具や養殖作業の様子について話を聞きました。
天然の稚貝は、古くなった漁網を採苗器に加工し水深1m位の所に吊るして獲ります。稚貝は0.4mm程度の大きさになると、体から糸を出して何かに絡みつくので、その性質を利用して採苗します。そのまま海中におき、5mm位の大きさになると、育成籠に入替えます。その後、貝の成長に合わせ、籠1段あたりの数を減らす作業を何度か繰り返し、1年半くらいで出荷出来るようになります。

次に美保関公民館へ移動し、中海漁業協同組合の戸谷久人組合長から赤貝養殖の現状について学びました。
かつて豊穣の海と呼ばれた中海では赤貝(サルボウガイ)が大量に獲れ、ピーク時の昭和30年頃には年間800トンもの漁獲がありました。しかしながら、日本海から中海への酸素供給量の低下や中海周辺の環境変化により徐々に漁獲高が減少していきました。そこへ中海干拓に伴う堤防建設が追い打ちをかけ、日本海から中海に供給される海水が大幅に制限され、酸素供給が一気に低下。
そのため、昭和52年の2トン出荷の記録を最後に獲れなくなってしまいました。

23年後の平成12年、国家プロジェクトであった中海干拓事業の中止が決まり、平成17年から中浦水門の撤去が始まった頃、江島付近で赤貝の母貝集団が発見され、そこから事態が急展開!平成18年から中海漁業協同組合が島根県水産技術センターや松江市水産振興課などの力を借り養殖に取組むことになりました。

最初は、天然や人工で採苗した赤貝の稚貝を海底に直にまいていましたが、夏場の酸素不足やエイやタコなどの食害により、平成23年には230万個の赤貝(サルボウガイ)が全滅。
そこで、稚貝を籠に入れ水深3~5mの中層に吊るす、籠吊り方式に変更。これが良い結果をもたらし、平成25年実に36年ぶりに出荷され、中海産赤貝(サルボウガイ)は復活をとげました。
中海産養殖赤貝は、中海の豊富なエサを沢山食べ身太りが良く、味が濃厚。しかも中層に吊るすので砂噛みが無いため、味噌汁にしても砂が出ないのが特徴で、地元消費者にとても喜ばれています。

講義の後はお楽しみの食事。美保関はつらつシニア学級の皆さんに作って頂いた赤貝ご飯を美味しく頂き、講座が終了しました!
  • 美保関町下宇部尾の赤貝(サルボウガイ)養殖場 ここから、江島大橋・大山が望めるとても景色の良い場所
    美保関町下宇部尾の赤貝(サルボウガイ)養殖場 ここから、江島大橋・大山が望めるとても景色の良い場所
  • 赤貝(サルボウガイ)の稚貝を育成籠に入れ、水深3~5mに吊るす エサとなる植物プランクトンが豊富なため生育が早く濃い味になる 更に砂噛みがなく料理しやすいという特徴を持つ
    赤貝(サルボウガイ)の稚貝を育成籠に入れ、水深3~5mに吊るす エサとなる植物プランクトンが豊富なため生育が早く濃い味になる 更に砂噛みがなく料理しやすいという特徴を持つ
  • 赤貝養殖の現状について講義する 中海漁業協同組合の戸谷久人組合長
    赤貝養殖の現状について講義する 中海漁業協同組合の戸谷久人組合長
  • 昭和52年の2トンを最後に獲れなくなった中海産の赤貝(サルボウガイ)  平成18年から復活に向けて取組を開始し、平成25年に養殖赤貝を初出荷
    昭和52年の2トンを最後に獲れなくなった中海産の赤貝(サルボウガイ)  平成18年から復活に向けて取組を開始し、平成25年に養殖赤貝を初出荷
  • 美保関はつらつシニア学級の皆さんに作って頂いた赤貝ごはん
    美保関はつらつシニア学級の皆さんに作って頂いた赤貝ごはん
  • ふっくらとした身をしっかりかみしめ、大変美味しく頂きました! ごちそうさまでした!!
    ふっくらとした身をしっかりかみしめ、大変美味しく頂きました! ごちそうさまでした!!