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2017年8月10日

ふるさと発見コース・ふるさとマイスターコース合同講座 「松江そば談義」 「そば」ってどんな植物?意外と知らない「そば」の真実

「そば」どころ松江。市内には20店舗程ありますが、打ち方、出汁など好みがはっきり分かれる食べ物は、その土地と文化の反映のようです。
今回は、農学博士の中塚敏之先生に「そば」のあれこれについてお話しを聞きました。
中塚先生は、島根県立大学短期大学部で学生を指導される傍ら、ソバを育てて収穫し、そば粉ににして食すところまで自ら行っておられます。

ソバは年2回収穫できて、やせた土地でも育つという話は耳にされたことがあると思います。しかし、中塚先生は「ソバほど収量の悪い作物はない!」とおっしゃいます。
ソバの種類は、夏ソバと秋ソバがあり、夏ソバの代表的な品種は戸隠や北海道で栽培されるもの。一般的に秋に収穫される秋ソバが新そばと呼ばれるもので、その代表的な品種は信濃一号といい、このあたりで栽培される「玄丹そば」に使われるものはこの品種だそうです。
このあたりでは、秋ソバはお盆過ぎから植え始めるのですが、ソバは非常に生命力あって成長も早く、3日で発芽し80日で収穫できるそうです。ですが、そもそもソバは他花受粉で一つの畑に雌しべが長い長柱花と短い短柱花を一緒に植えないと受粉しない。

もう一方、春先に蒔いて夏に収穫する夏ソバ。この種を夏に収穫した後、秋に植えても発芽しない。種をよく見極めて、その品種にあった時期に植えることが重要。一つのソバの種から1本の茎しかつかない上に、実をつけてもソバの実は脱粒しやすい。大きな実ほど直ぐに落ちてしまう。そこが稲との大きな違いだそうです。
実を付ける条件は、17℃~18℃以下に気温が下がることだそうで、非常にデリケートな作物でもあることが分ります。

やせた土地でも育つというのは、一般的なイメージで葉が多く茂っている畑が栄養分が豊富と思い込んでいるところがあり、そういう畑ではソバは実を付けなくて、水はけの良い傾斜地でリン酸が多い土地がソバの栽培に適しているとの事。

また、出雲そばと言えば皮も一緒に挽いていますが、皮の近くになるほど栄養が含まれていて、白米、うどん粉などに比べ、ソバ粉にはタンパク質の内の必須アミノ酸やビタミンB1、B2が多い、中でも「ルチン」はソバのみに含まれているポリフェノール成分で、抗酸化作用があります。脳細胞に働きかけたり、毛細血管を強化し血液をサラサラにします。
ただ、水溶性なので、茹でているときに流れ出てしまいます。ですから中塚先生は「釜揚げそばが一番出雲そばらしい上に、栄養学的にも優れている」とおっしゃいます。
蕎麦湯を掛けて食べる釜揚げそばは、他の地方にはありません。地味な存在ですが、次は是非、釜揚げそばを食べてみてくださいね。
  • ソバの花を手に説明する、農学博士 中塚 敏之氏
    ソバの花を手に説明する、農学博士 中塚 敏之氏
  • ソバの実を割って中を確認
    ソバの実を割って中を確認