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2021年7月30日

令和3年度 ふるさと発見コース 第2回講座 神話と遺跡からみた古代出雲の神まつり

令和3年度の講座の様子をシリーズでお知らせする第4回目は、ふるさと発見コースです。

古代文化センター専門研究員、松尾充晶氏を講師にお迎えし「神話と遺跡からみた古代出雲の神まつり」と題して、主に4つの視点からお話をして頂きました。

1.旧暦十月は「神無月」なのに、出雲は八百万の神々が集まり、「神在月」となります。では、なぜ出雲に神集いがなされるのでしょうか?
 それは、「母神であるイザナミノミコトが十月に出雲で崩じ、出雲に葬られた。そこで神々は母神を慕い、供養のため出雲に集う」「十月はスサノヲが支配、統治する月で、神々はスサノヲの元に集まる」という神集い伝承が室町時代に流布したからです。

2.「古事記」の国譲り神話は、大国主神が天孫(天つ神)に国土(葦原中津国)を献上するが、その代償として高大な社殿を造営するという約束がありました。
平安時代の『口遊』(くちずさみ)に、わが国の木造建築物の高さ順位で「雲太・和二・京三」といわれ、杵築大社が一番高いという常識がありましたが、伝承だけでした。それが、平成12年の発掘調査で巨大柱が発掘され、「金輪御造営指図((かなわのごぞうえいさしず)」の9本柱と一致しました。

3.神祭りの構成として重要な部分は、献饌・祝詞奏上・神楽奉納・玉串奉奠・撤饌までです。その後「直会」に入りますが「直会」の本来の意味は、神事のアブノーマル状態を平常に直ることと、神饌を神と人が共に飲食する儀礼を意味します。

4. 古代の神の観念とは、神が坐す《自然空間》と人がお祭りをする場は別でありました。神社の基本構造は、まず祭られる信仰対象は神であること、祭る祭祀の行為主体は人であること、そして祭りを行う施設・空間が場(神社の境内地)という概念です。

講師の松尾氏は、多伎町朝山神社の宮司も務めておられ、実体験に基づいた研究で、講義は大変聞きやすく、受講生の皆さんからも好評でした。
  •  講師の松尾充晶専門研究員
     講師の松尾充晶専門研究員
  •  なぜ旧暦十月は「神無月」なのでしょうか
     なぜ旧暦十月は「神無月」なのでしょうか
  •  松尾講師の話に熱心に耳を傾ける受講生
     松尾講師の話に熱心に耳を傾ける受講生