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2021年9月30日

令和3年度 ふるさと発見コース 第3回講座 旧制松江高校(島根大学の前身)の変遷 今年開校100周年を迎えた旧制松江高等学校「淞高」―松江で学び、暮らした学生たち―

令和3年度の講座の様子をシリーズでお知らせする第9回目は、ふるさと発見コースです。

今回は、松江歴史館開館10周年を記念して開催された「旧制松江高等学校開校100周年」企画展を訪れ、その変遷についてお話を伺いました。講師は、松江歴史館学芸員 藤岡奈緒美氏。コロナ感染防止のため、参加者を2班に分け、午前と午後の2回に分けて開催しました。

旧制松江高等学校「淞校(通称:まつこう)」は、当時の島根県知事及び松江市長と松平直亮(なおあき)氏や岸清一氏らの尽力によって、島根県初の高等教育機関として、大正9年(1920)に設立されました。
旧制高等学校は、現在の高校にあたる旧制中学校を卒業した後、今の東京大学のような難関大学への進学を目指すエリートの卵たちが3年間学んだ学校です。
開学後はじめての入学生募集では、旧制松江高等学校「淞校」の文系には数学の試験が無かったため、想像以上に志願者が多く、要項などの部数が足りなかったり、淞校の授業や試験は非常に厳しく、せっかく帝大入試に受かっているのに、期末試験で落第し留年する生徒もいたとか。
また、生徒の「自習寮」での暮らしについては、金持ちの子息は自宅のものをお金に換えて遊興の資金にしていた一方、裕福でない生徒はアルバイトに明け暮れる苦しい生活をしていたそうで、現在にも通ずるものがありますね。

戦後の学制改革で6・3・3・4制になり、旧制高校は昭和25年(1950)に廃止となりました。「淞校」は、「島根大学」へと移行していきました。

展示室では、「淞校」の生徒たちの学びや暮らしについてだけではなく、懐かしい松江の街の様子についても当時の写真や資料が多数展示されていました。

藤岡学芸員のお話によると、淞校でかつて学ばれた方がこの企画展を訪れ、懐かしそうに観覧されていたそうです。
  •   松江歴史館指南所での講義
      松江歴史館指南所での講義
  •   旧制松江高校について講義を聴く受講生
      旧制松江高校について講義を聴く受講生
  • 展示室入り口の旧制松江高等学校の正門(レプリカ)。横に立つのは        藤岡講師
    展示室入り口の旧制松江高等学校の正門(レプリカ)。横に立つのは        藤岡講師
  •   展示室で説明を聴く受講生
     展示室で説明を聴く受講生