2022年6月9日
ふるさと環境コース 第2回講座
ブライチロー! たたら製鉄を生んだ大地の謎に迫る
8500万年前のユーラシア大陸時代の地質とたたら製鉄の関係を学びました
令和4年度講座の様子をお知らせするシリーズの第一弾は、ふるさと環境コースです。
5月24日と5月31日の両日、講師に島根大学大学院教育学研究科の松本一郎教授をお迎えし、「ブライチロー! たたら製鉄を生んだ大地の謎に迫る」と題して、奥出雲町の鬼の舌震で学びました。
ここは、日本列島がユーラシア大陸の一部だった時代の火山活動によりマグマが地下深くでゆっくりと冷えて固まって出来た、花崗岩から成る大地です。
この花崗岩が長年の侵食や風化によって削られ、斐伊川の支流である大馬木川に約2kmに渡ってV字渓谷を造りました。
花崗岩は、風化や侵食作用により容易に砂になるため泥が無く、川がとてもきれいです。舌震上橋と玉日女(たまひめ)橋の間は巨岩がごろごろしていますが、玉日女橋の下流は流れが急に緩やかになり砂州が広がっています。
この一帯の花崗岩は日本一の磁鉄鉱含有率で、黒い部分(黒御影石)に棒磁石を近づけると磁石の先端が岩に吸寄せられます。
花崗岩から得られる良質の砂鉄が、この地のたたら製鉄を生みました。
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大馬木川(斐伊川の支流)の急流によって造られた約2kmのV字渓谷 巨岩がゴロゴロ!どうしたらこの様な景観が出来るのか不思議??
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右手は花崗岩の垂直な岩壁、左手の数十メートル下には大馬木川の急流が流れる
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「鬼の試刀(しとう)岩」 川に落下した巨大な岩が、落下衝撃により節理面に沿って真っ二つに割れて出来たもの 「鬼滅の刃」に登場する大岩によく似ているとか…
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「大天狗岩」 巨大な岩肌全体が節理面で、迫力ある崖になっている
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松本一郎教授から「水瓶(はんど)岩」の説明を聞く受講生
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受講生の視線の先にある水瓶の形をした岩 絶妙なバランスを保っているが、50年後100後には川に落ちるかもしれないとか…
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「鬼の落涙(らくるい)岩」 両目に見える部分は、小石が急流によって削った穴で甌穴(おうけつ)と呼ばれる
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磁鉄鉱含有率日本一の花崗岩が棒磁石を吸寄せる この良質の砂鉄がたたら製鉄を生んだ
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玉日女(たまひめ)橋の下流は、流れが急に穏やかになり砂州が広がる 花崗岩は容易に砂になるが、泥にならないので水が澄み綺麗!
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”恋”吊橋を渡り2時間の講座が終了 とても充実した学びの時間でした!!