2023年7月10日
ふるさと発見コース 第3回講座
ふるさとの宝 松江城をめぐる
松江城再発見
ふるさと発見コースでは7月4日、松江城・史料調査課松江城係長の木下誠氏から松江城についての話を聴きながら散策しました。
松江城築城の頃は関ヶ原の合戦直後でいまだ緊張感があり、豊臣系大名の西国への「築城ラッシュ」の時代でもあったことなどを聴いてから天守に向かって出発しました。石垣に遺る堀尾家の家紋「分銅紋」、天守入口の石垣に使われた大きな石など見学した後天守へ入りました。
入ってすぐ地下の井戸があります。籠城に備えた実践のための城であったことが窺えます。
松江城は二階分を貫く何本もの「通し柱」で支えられています。長大な柱を使用することなく短い柱で上階の重さを分散して大規模な天守を造るこの構法を用いたのは現存天守の中で最も早い例です。この構法により、どっしりとした松江城が完成しました。
天守の中に古い梁が展示されており、木口に「分銅紋に富」の刻印が見えます。月山富田城の使える部材を飯梨川を使って船で運び、松江城に再利用されたものです。
松江城は今、国宝5天守とともに「近代城郭の天守群」として「世界文化遺産」の登録を目指しています。古い建築部材の再利用も評価の対象になるとみられています。
天守最上階に上り、物見櫓として殿様の見たであろう景色を実感し、なにげなく見ていた松江城のすばらしさを再認識しました。
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石垣に遺る堀尾家の家紋
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天守入口の大石
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天守内の井戸
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展示されている梁
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柱に板を張り、かすがいで留めた包み板
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松江城全景