2023年8月18日
ふるさと環境コース第4回講座
隠岐諸島について知る
隠岐~近くて遠い島
7月18日、ふるさと環境コースでは三瓶自然館学芸員の中村唯史さんから隠岐の成り立ちや特徴などについて学びました。
氷河期の隠岐諸島は海面が約100メートル下がったため島根半島と陸続きでした。
隠岐諸島では火山の溶岩が急速に冷えて固まったことにより石器の材料となる「黒曜石」が多く産出されました。隠岐産の黒曜石は材質が優れていたため氷河期が終わり隠岐が「島」になった後も船を使って中国地方の広い範囲に持ち込まれています。
隠岐は山陰海岸から続く大陸棚にあり、深い日本海の中でこの浅瀬が豊かな漁場となっています。隠岐近海は暖流の対馬海流が流れますが一方で水深の深い所には栄養塩にも富む冷たい水があり、水深によって寒暖両方の魚介を獲ることができます。
西郷港の入り江は日本海にしけを起こす北~北西の風の風裏にあたる南側にあり、北前船が盛んな江戸時代には風待ちの港として栄えました。
島前の独特の地形はカルデラだと考えられており、外輪山にあたる円を描いた三つの島が静かな内海を作り出しています。
隠岐空港も火山との関係が深く、空港のある地域は50万年前以前に火山活動で出た流れやすい性質の玄武岩溶岩による溶岩台地です。平地の乏しい隠岐では貴重なこの平坦地を隠岐空港として利用しているのです。
隠岐諸島について色々な話を聴き、隠岐は大地の動きによって恵まれた地域であることを実感しました。