2023年8月21日
芸術文化美術コース第2回講座
動く人工生命体に驚く
県立美術館でテオ・ヤンセン展を鑑賞
7月29日、芸術文化美術コース第2回講座として島根県立美術館で専門学芸員上野小麻里さんの解説を聴き「テオ・ヤンセン展」を鑑賞しました。
オランダ出身のテオ・ヤンセンは、海面上昇問題を憂い、砂を巻き上げて海岸線を守る生命体として「ストランドビースト(砂漠の生命体)」を生みだした物理学者であり芸術家です。
展示会場でストランドビーストが実際に動く様子を体験した後、講義室に移動して話を聴きました。
テオ・ヤンセンは回転運動を歩行運動に変える独自の機構を発見し、その機構が実現できる「チューブの長さと位置関係」を示す 13の数字を「ホーリーナンバー」として広く一般に公開しています。インターネットなどで見た人が様々なビーストを作り「増殖」することを望んでいます。
講義では、風を受けて歩くビーストからペットボトルに圧縮空気を溜めてエネルギーとするもの、尾を振るもの、ホーリーナンバーの機構を使わずに体をくねらせて進むもの・・・と、開発当初から現在までの変遷を学びました。テオ・ヤンセンはこのような変化を「進化」と表現しています。
講義のあとも展示室のコーナーいっぱいに使った大きいビーストの動く様子を見学し、「3,2,1」のコールとともにビーストが向かってくると、観客から「おおおー」とどよめきが起きていました。
話を聴いてから企画展を鑑賞することで理解が深まり、受講生は仕組みなどをじっくり見て楽しみました。
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歩行運動の元になるホーリーナンバーの機構
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手前に迫ってきたビースト