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2024年1月19日

ふるさと発見コース 第11回講座 出雲地域の年末年始の行事について学びました 年末年始のまつりと行事

 12月12日、ふるさと発見コースでは島根県立大学の中野洋平先生をお招きし、地域の年末年始の行事について聴きました。
 一年のうち、一定の時期に慣例として行われる「年中行事」は、「暦」と密接なつながりがあります。現在日本では太陽暦が使われていますが、明治6年までは「太陰太陽暦」が使われていました。旧暦から新暦に変わったことにより、年中行事の日にちに混乱が生じています。旧暦では立春が元旦、「節分」は立春の前の日に行う正月行事でしたが、現在では正月と無関係の2月の行事になっています。
 人々が信仰する「カミ」にも色々あります。宗教的カミは理論に基づいていて固有の名があります。民俗的カミは人々の経験や生活を基盤としています。固有の名はなく、「かまど神」「龍神」「便所神」などがあります。
 ムラやマチ単位で祀られるカミを氏神といい、それより小さい単位で祀られるカミに「荒神」「歳徳神」「龍神」「賽の神」などがあります。
 荒神のまつりは毎年11月から12月にかけて行われ、その年最後の神まつりとされるところが多いです。藁(わら)で藁蛇(わらへび)を制作し、特定の樹木に巻き付け五穀豊穣などを祈ります。御幣は氏子の数や月の数(12本)を藁蛇に突き刺すように飾ります。地域の高齢者が中心となって行います。しかし、藁不足や少子高齢化で藁蛇を作る技術の伝承が難しく、荒神まつりの存続があやぶまれています。
 年の初めに歳神(としがみ)さんが来訪する行事が正月です。三が日だけでなく、20日ごろまで正月として神祭りを行います。15日の小正月の行事「左義長」(出雲地方では「とんどさん」)は、正月飾りを焼却すると同時に歳神さんをお送りする行事です。地域の子供会などが中心となって行われます。
 出雲地方には、集落で管理されている地蔵堂、薬師堂、阿弥陀堂、大師堂、大日堂などの「お堂」があります。年始には一年の幸福を祈願して「伽藍さん」「大餅さん」などが行われます。大きな鏡餅を奉納し願文を読み上げて棒で床を激しく叩いたりします。これは大きな寺院での正月行事「修正会」や2月の法要「修二会」が民間に伝搬してお堂で行うようになったものと考えられています。
  • 講師の中野洋平さん
    講師の中野洋平さん
  • 講座の様子
    講座の様子